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  森田茂之氏による特別講演(ENCOUNTERwithMATHEMATICS番外編)
新シリーズのご案内:2013年秋から、全体を仕切りなおして新シリーズを開始します.
  
  森田茂之氏による特別講演:新シリーズ
  
  
これまでの記録
微分トポロジーの研究と展望等について, 森田茂之氏(東大・名誉教授)に自由に講演していただきます. 全10回程度の講演を予定しています.
  
テーマ: 「特性類と不変量」
全体への梗概:
- 向き付けられた閉曲面に対するガウス・ボンネの定理は, ガウス曲率の総和とオイラー数との間の密接な関係を与える美しい定理である. 現代幾何学は, これをさまざまな形に一般化しつつ発展してきた. その中で中心的な働きをしてきたのは, 特性類と不変量という考え方である. この講義では, これらの道筋をいくつかのトピックスを取り上げつつ概観する. そして後半では, 新しい不変量をいかにして作るかについて, 現在研究中の一つの方法を述べる. コンピュータによる実験的な計算なども例示する予定である.
 
- 第1回
 - 日時: 5月19日(水)16:30-18:00
 - 第2回
      
- 日時: 6月2日(水)16:30-18:00
 
 - 第3回
      
- 日時: 7月7日(水)16:30-18:00
 
 - 第4回
      
- 日時: 9月1日(水)16:30-18:00
 
 - 第5回
      
- 日時: 10月8日(金) 16:30-18:00
 
 - 第6回
      
- 日時: 11月5日(金)16:30-18:00
 
 - 第7回
      
- 日時: 12月10日(金)16:30-18:00
 
 - 第8回
      
- 日時: 1月14日(金)16:30-18:00
 
 - 第9回
      
- 日時: 1月28日(金)16:30-18:00
 
 - 第10回
      
- 日時: 3月2日(水)16:30-18:00
 
 - 第11回
      
- 日時: 7月27日(水)16:30-18:00
 
 - 第12回
      
- 日時: 9月14日(水)16:30-18:00
 
 - 第13回
      
- 日時: 10月5日(水)16:30-18:00
 
 - 第14回
      
- 日時: 11月11日(金)16:30-18:00
 
 - 第15回
      
- 日時: 12月21日(水)16:30-18:00
 
 - 第16回
      
- 日時: 1月25日(水)16:30-18:00
 
 - 第17回
      
- 日時:10月3日(水) 16:30-18:00
 
 - 第18回
      
- 日時: 10月24日(水) 16:30-18:00
 
 - 第19回
      
- 日時: 11月28日(水) 16:30-18:00
 
 - 第20回 
      
- 日時: 2013年2月6日(水)延期
 
 - 第20回 
      
- 日時: 2013年2月20日(水) 16:30-18:00(6426号室:6号館4階)
 
 - 第21回 
      
- 日時: 2013年3月6日(水) 16:30-18:00(6301号室:6号館3階)
 
 - 第22回 
      
- 日時: 2013年7月10日(水) 16:30-18:00(教室未定)
 
 
資料
- 最初の2-3回の講義では, 一つの向き付けられた閉曲面の場合を取り上げる. この場合は初等的ではあるが, さまざまな形に一般化するための基本的な構造をすべて備えていると言っても過言ではない. 種数0すなわち球面, 種数1すなわちトーラス, そして種数2以上の閉曲面と, 3種類に大別される曲面の幾何学を, ホモロジー群, セル分割, 基本群, ヤコビ多様体, シンプレクティック群の表現, あるいは3次元多様体論等のさまざまな観点から調べ, それらがどのようにして一般化されうるかについての考察を始める.
 
第4回から第10回までへの梗概:
- これまでの3回の講義では, 一つの向き付けられた閉曲面 の場合を取り上げ, とくに種数がヤコビ多様体とシンプレクティック群の表現の観点から, どのように捉えられるかを見た.
 - 引き続く2-3回の講義では, これらの考えが曲面をファイバーとする種々の曲面バンドルの場合に, いかにして拡張されるかの考察を始める. その際, 曲面の1次元ホモロジー群の生成する多項式代数, テンソル代数, 自由リー代数等が自然に登場し, それらのシンプレクティックな微分全体のなす無限次元リー代数が重要な役割を演じることを見る. これらのリー代数の構造を, シンプレクティック群の表現論を用いて解析することにより, リーマン面のモジュライ空間, グラフのモジュライ空間, 横断的にシンプレクティックな葉層構造, さらには絶対ガロア群やある種の4次元位相多様体等, 曲面に関わる多様な対象の特性類や不変量を構成することができるのである.
 - 講義では, コンピュータによる計算例なども例示しつつ, これらの特性類・不変量について「発見的な観点」からの解説を始めたい.
 
第11回から第16回までへの梗概:
- リーマン面のモジュライ空間およびグラフのモジュライ空間の定義を述べ, その組み合わせ的構造について知られている基本的な結果を解説する. 具体的には, タイヒミュラー空間およびアウター空間の, 写像類群および自由群の外部自己同型群の作用に関して同変なセル分割を記述する. 続いて, これらのモジュライ空間のコホモロジーについての解説を始める. 関連して, 種数1の場合が一般の種数を扱う場合に, どのように模範的, あるいは種数0と種数2以上の場合を結ぶ架け橋的な役割を果たし得るかについての考察も始める. これは, モジュライ空間のコホモロジーおよび算術的写像類群の研究にとって極めて重要な観点である.
 
第17回以降の梗概:
- 11回目‐16回目(VII章,VIII章)では,リーマン面およびグラフのモジュライ空間についての解説をして来た.17回目から2‐3回ほどは,一旦全体のテーマである曲面から少し離れて,\章:``低次元トポロジーの謎''と題して,低次元トポロジーにおけるいくつかの重要な未解決問題を取り上げる.
 - 1973‐5年頃に,偉大な数学者である Hirzebruch および Thurston を近くから見ることのできた時の個人的な思い出も交えつつ,いくらか主観的な解説をする.
 - これらの謎の一つに迫ることを夢見ながら,逆井卓也氏,鈴木正明氏と進めている共同研究の一端の紹介も始める.予定としては,]章以降で主テーマの曲面に戻りたい.
 
連絡先:三松 佳彦
TEL:03-3817-1749
E-MAIL:yoshiATmath.chuo-u.ac.jp
