研究室の詳細情報
研究室配属を希望する学生は, 本ページを熟読した上で, 以下の事前調査票(googleフォーム)を送信の上, メールでアポイントをとってください.
- 2025年度 事前調査票(新しいウインドウで開きます)
卒業研究の具体的内容とゼミの活動
卒業研究でやること
専門書の精読
主な内容は, 機械学習や統計的モデリングに関する専門書の精読です. テキストはゼミ生の興味や進路に合わせて適切なものを選定します. 人によって異なるテキストとする場合もあります.
基礎理論をきちんと理解することで, 統計手法の正しい理解を深め, 正しい分析法の選択や結果の正しい解釈ができるようになります.
これまでに輪読した書籍の一例
- 須山敦志「ベイズ推論による機械学習入門」講談社.
- 瀧雅人「これならわかる深層学習入門」講談社.
- 久保拓弥「データ解析のための統計モデリング入門」岩波書店.
- 間瀬茂「ベイズ法の基礎と応用」日本評論社.
- 中村永友「Rで学ぶデータサイエンス 多次元データ解析法」共立出版.
- 藤原彰夫「情報幾何学の基礎」牧野書店.
- James, G., Witten, D., Hastie, T. and Tibshirani, R. "An Introduction to Statistical Learning - with Applications in R", Springer.
- Haerdle, W.K. and Simar, L. "Applied Multivariate Statistical Analysis, 4th ed.", Springer.
- Hogg, R.V., McKean, J.W. and Craig, A.T. "Introduction to Mathematical Statistics, 7th ed.", Pearson.
近年は大学院生および大学院進学予定の4年生の学会への参加, 発表の件数が増えてきました. そのため, 早い段階で具体的な研究(本を順番に読むのではなく論文を次々読んだり, 具体的に新しいモデルを提案したり)にスイッチする人も出てきています.
データサイエンス系のコンペティション・コンテストへの参加
実データの統計分析を体験するために, これまで毎年, ゼミ生でチームを組んで
を始めとするコンペティションやコンテストに参加してきました. 前者はマーケティング, 後者はスポーツのデータの分析で, いずれも実社会でとられた, かなり大規模なデータです. 全国の大学・社会人のチームと分析の腕を競い合います. 上位入賞すると表彰されます. 過去には, 大学院生チームや学部生チームが何度も入賞しています.
上記の他にも, 常時様々なコンペティションが開催されており, 内容に応じて有志で参加したりしています.
2020年度は学内イベント「データ分析チャレンジ」にも出場しました.
企業等との共同研究への参画
研究室では, 様々な企業やスポーツチーム, 他分野の研究者などとの共同研究を実施しています. 過去には以下のような共同研究があります.
- リテール(小売)大手企業 A 社との共同研究(大学院生, 学部生も参画)
- フィットネス企業 B 社, 順天堂大学との共同研究(酒折のみが参画)
- その他, 酒折が顧問の企業や, プロジェクトに関わっている企業も複数
やる気のある学生はこれらの共同研究・プロジェクトに参画することができます. 現在どのような共同研究を行っているかは酒折に尋ねてください.
その他のゼミの活動
- データサイエンスのスキル(R や Python などでのプログラミング, データベースなど)の自主勉強会を開催する年もあります.
- 中学校や高校における統計学の教育に関する勉強会を開催しています.
- 大学院生を中心に, 学会での研究発表を推進しています.
- 9月, 3月にゼミ合宿を行っています. データ分析大会などを行っていました(2020年度はコロナ禍で無し. 今後は見直しの可能性あり)
- ゼミ独自の国際交流活動をしています. これまで, 韓国ソウル特別市の誠信女子大学・李聖鍵助教授のゼミとの研究交流会を3回(2009年ソウル, 2010年東京, 2012年ソウル)行ってきました. 詳しくはここをみてください. 近年やや停滞していますが, 今後も韓国に限らず国際交流の活動を検討しています.
卒業生の進路と進学
卒業生のおもな職種
毎年数名の学生が大学院(中央大学および他大学)に進学します. 割合としては2割程度です. (目標は5割です!)
卒業生の進路の一例を挙げておきます. 学部卒と大学院卒が混ざっています.
- 研究者(大学教員等)
- データサイエンティスト(今はここが多いです), 統計分析の専門家
- アクチュアリー職
- 臨床統計家
- 中高教員
- 教職大学院進学, MBA進学
- 統計ソフト開発会社
- SE
就職先は金融・保険・食品・情報など, 有名企業からベンチャーまで様々です.
統計学を生かした職としては, データサイエンティスト・アクチュアリー・臨床統計家・数学教員など様々なものがあります. いまはデータサイエンティストが非常に人気です. 学部卒でも就職可能になりつつありますが, 大学院進学者の方が活躍の道が格段に大きく開けます.
大学院への進学を考えている人へ
本年度は私の研究室での大学院進学を受け入れることができません. ただ, どのようにしたら良いか相談を受け付けますので, その旨を遠慮なく伝えてください.
[重要] 配属を希望する学生に必要とされる知識とスキル
卒業研究レベルの統計科学やデータサイエンスを学ぶにあたり, 以下のような知識やスキルが必要です. いくつかのキーワードとともに列挙しておきます.もちろん, それ以外が不要というわけでは全くなく, とくに数学の知識はあればあるだけよいです. 理解の不足している学生は, 研究室を希望する前に復習や自主学習によりこれらを十分に補っておいてください. 体系的な理解は授業の履修だけでは難しいかもしれませんので, 良書を参考に知識の整理が必要だと思います.
- 線形代数:ベクトルの演算, 行列の演算, 逆行列, 固有値・固有ベクトル, ベクトル空間・部分空間
- 微分積分:1変数・多変数の微分・積分, ラグランジュの未定乗数法などによる条件付き最適化, マクローリン展開(テイラー展開)
- 初等確率論:事象と確率, 確率変数, 確率分布, モーメント, 大数の法則, 中心極限定理
- 統計学:記述統計の各方法(データをグラフ・表・統計量などでまとめる方法), 最尤法など点推定の方法と不偏性・一致性などの推定量の性質, 1次元正規分布の平均・分散に関する区間推定と仮説検定の方法, 回帰モデル・線形モデルなどの基本的な統計モデル
- プログラミング:C や Java, Python などで, ある程度自由にプログラムを自作できるスキル.
- コンピュータのスキル:LaTeXでの文書作成, Powerpoint などのプレゼンツールでのプレゼン資料作成, Excelなどの表計算ソフトの基本
- その他のスキル:あくなき向上心, ある程度のコミュニケーション能力